バリのヒーリング風景
Akasha Jyoti  |  PT Cocoro Cahaya Bali
Balinese Healer Class
バリニーズ・ヒーラークラス
Phase I — 基礎編
バリ・ヒンドゥーの叡智とヒーリングの本質
ニスカラの世界へ、最初の一歩を踏み出すために
A Message from Reina

このクラスと出会ったあなたへ

バリに来て二十年以上が経ちます。
私がここで学んだことは、技術ではなく、存在のあり方でした。

バリの人々は、目に見える世界(セカラ)と見えない世界(ニスカラ)を常に50:50で生きています。病気も、喜びも、人間関係も、すべては見えない力と見える現実が交差する場所で起きている——そのことを、私はバリのヒーラーたちとの長年の関わりの中で、身体で理解していきました。

このクラスは、ヒーリングの「技術」を教えるものではありません。あなたの内側にすでにある力を、バリの叡智という名の鏡で映し出すための時間です。

Phase 1では、その基礎となる世界観——なぜバリのヒーリングが機能するのか、エネルギーとは何か、ヒーラーとしての自己とはどういう存在なのか——を丁寧に探っていきます。

「ヒーラーとは、宇宙の調和を地上に引き込み、循環させる媒介者です。あなたの内側を最高の幸福状態で満たす自己規律こそが、クライアントへの最大の贈り物になります。」

三つのフェーズを通じて、あなたは単なる「知識」ではなく、生き方そのものとしてのヒーリングを身につけていくでしょう。

バリの言葉に、こういう考え方があります——Desa, Kala, Patra(場所・時間・状況)。すべての真実は、文脈の中にしか存在しない。このドキュメントも、あなた自身の文脈の中で、あなただけの答えを見つけるための地図です。

Reina Takahashi
Tabanan, Bali
Contents

目次

プログラム全体像 — 3つのフェーズ
4
Phase 1 — 基礎編
第一章|セカラとニスカラ — 二つの世界
バリ・ヒンドゥーの世界観、Rwa Bineda、Desa Kala Patra
5
第二章|パンチャ・スラダ — 信仰の5つの柱
アトマ、カルマ・パラ、輪廻、モクシャ、神々の体系
7
第三章|聖なる実践 — チャナンとパンチャ・スンバ
供え物の意味、5段階の祈り、聖水のプロトコル
9
第四章|ヒーリングの本質 — ハマシとボルテックス
エネルギーの共鳴、自己循環型システム、持続可能なヒーリング
11
第五章|感情の管理とピッパカの訓練
同情の罠、振動純度、ヒンディング(完成態)
13
第六章|変愛 — ヒーラーとクライアントの共鳴
エンパシーケーブル、自己愛のアファメーション、不変の愛
15
第七章|聖なる地理 — バリの9大寺院
カヤンガン・ジャガッ、方位のエネルギー、環境と信仰
17
第八章|サドグルとバリの接点 — 内側の工学
インナー・エンジニアリング、4つのヨガの道、意識の進化
19
Phase 2 & 3 — 概要
Phase 2|応用実践 — エネルギーワークの技術
21
Phase 3|統合と完成 — ヒーラーとしての自立
22
Program Structure

3つのフェーズ — 学びの全体像

バリニーズ・ヒーラークラスは、3つのフェーズで構成されています。それぞれが1日間(オンラインの場合は1日)のクラスとして独立していますが、フェーズを経るごとに理解と実践が深まる設計です。

Phase I — 基礎編

バリ・ヒンドゥーの叡智とヒーリングの本質

なぜバリのヒーリングが機能するのか。セカラとニスカラという二つの世界の構造を理解し、ヒーラーとしての意識基盤を確立します。エネルギーの本質(ハマシ・ボルテックス)、感情の管理、変愛の概念、バリ・ヒンドゥーの哲学体系を包括的に学びます。
★ 本ドキュメントが扱う範囲

Phase II — 応用編

エネルギーワークの実践技術

Phase 1で構築した理解を、実践へと転換します。チャクラの読み方と調整、セッションの組み立て方、クライアントとのエネルギー共鳴をコントロールする具体的技術を習得します。バリのバリアン(伝統的治療師)から直接受け継いだ手技と思考の流れを学びます。

Phase III — 統合編

ヒーラーとしての自立と継続的成長

実際のセッションを行うための準備を完成させます。自己のエネルギー管理の仕組みを確立し、クライアントとの関係性の倫理と境界線を整え、ヒーラーとしての長期的な持続可能性を設計します。内なる師(ヒンディングの状態)への道を歩み始めます。

大切なこと

このクラスは「資格」を与えるものではありません。バリのヒーリングは、資格でも肩書きでもなく、存在の質から生まれます。3つのフェーズを通じて、あなたはその質を育てる方法を学びます。

ヒーラークラスの始まり
タバナン、バリ。ヒーラーたちが代々守ってきた叡智の地。
バリの供え物と儀式
01
セカラとニスカラ
二つの世界の構造
バリ・ヒンドゥーの宇宙観の核心は、目に見える世界と見えない世界の50:50の対話にあります。ヒーリングとは、この二つの世界の間に立ち、流れを整える行為です。

バリ・ヒンドゥーの本質と歴史的背景

バリ・ヒンドゥー教は、西暦111年にインドから渡来した高僧マルカンディヤによって礎が築かれた、2000年以上の歴史を持つ独自の生活哲学です。インドのヒンドゥー教を根幹としながら、バリ島の土着信仰や自然崇拝が深く融合しており、その本質は「調和とバランスの動的な維持」に集約されます。

注目すべきは、この宗教が単なる信仰体系にとどまらず、社会インフラとして機能していることです。高僧マルカンディヤが設計した「スバック(灌漑システム)」に象徴されるように、バリ・ヒンドゥーの宗教実践は農業技術・コミュニティ組織・環境保護システムとして直接機能する「知的インフラ」であり続けています。

Core Concept

Desa・Kala・Patra(デサ・カラ・パトラ)

バリ・ヒンドゥーの判断軸。場所(Desa)・時間(Kala)・状況(Patra)の三変数に基づき、すべての行為の正しさが決まります。絶対的な正解は存在せず、文脈に応じた柔軟な適応こそが知恵の本質です。ヒーリングにおいても同様——同じ手技が、人によって、タイミングによって、全く異なる効果をもたらします。

セカラとニスカラ — 50:50の対等な世界

概念 定義 ヒーリングにおける意味
セカラ(Sekala) 五感で知覚可能な顕在界。目に見える世界。 身体症状、行動パターン、言語化できる悩み
ニスカラ(Niskala) 神々・精霊・エネルギーが潜む潜在界。目に見えない世界。 エネルギーの滞り、深層心理、霊的な課題

現代の医療・心理学はセカラの世界を扱います。しかしバリの伝統では、セカラとニスカラは50:50の対等な力を持ちます。どちらかが欠けたアプローチは、半分の効果しか持ちえない——これがバリのヒーリングの根本前提です。

Rwa Bineda — 対極の調和

バリ哲学の中心にある「Rwa Bineda(ルワ・ビネダ)」は、善(ダルマ)と悪(アダルマ)の二元性の調和哲学です。西洋的な二元論が「善悪の勝敗」を追求するのに対し、バリの論理はどちらの力も圧倒的にならないよう調整し、動的な平衡を保つことを目的とします。

「悪は排除すべき欠陥ではなく、宇宙の全体性を維持するために不可欠な対極である。バリ人が悪霊にも毎日供え物を捧げるのは、このためです。」

ヒーリングの文脈では——クライアントの「ネガティブ」な感情や症状を排除しようとするのではなく、それを宇宙のバランスの一部として受け止め、流れを整えることがヒーラーの役割です。

聖水を受ける儀礼
02
パンチャ・スラダ
信仰の5つの柱
バリ・ヒンドゥーの神学的骨格。魂、因果、輪廻、解脱——これらはヒーリングの理論的基盤であり、なぜ変容が可能なのかを説明します。

5つの信仰の柱

# 名称 概念とヒーリングへの示唆
1 ブラフマン(Brahman) 唯一無二の最高存在への信仰。すべては同じ源泉から来ている——ヒーラーもクライアントも宇宙も同一。
2 アトマ(Atma) 魂の不滅。肉体が滅んでも魂は生き続ける。傷は癒せる——魂の本質は完全である。
3 カルマ・パラ(Karma Phala) 因果応報の法則。前世・今世・来世の三軸で機能。クライアントの状態はカルマの流れとして読める。
4 プナバワ(Punarbawa) 輪廻転生。魂はカルマを携えて次の生を得る。現世の課題は過去世からの継続である可能性を含む。
5 モクシャ(Moksa) 解脱。すべてのカルマを清算し輪廻から解放される最終目標。ヒーリングはモクシャへの一歩。

神々の体系 — 宇宙の組織図

バリ・ヒンドゥーの神々は階層構造を持ちますが、「畏怖すべき遠い存在」ではなく、日常的に対話できる身近な存在として機能します。特にバタラ(Batara)と呼ばれる地域の守護神・神格化した先祖は、人間と直接関わる実務リーダーであり、ヒーラーはこの層と最も密接に働きます。

階層 呼称 役割
最高存在 イダ・サン・ヒャン・ウィディ・ワサ 唯一無二の最高存在。すべての根源。
主要三柱 トリムルティ(Trimurti) ブラマ(創造)・ウィスヌ(維持)・シワ(破壊と再生)
専門職の神々 デワ / デミ(Dewa/Dewi) 太陽・火・水など自然界の各セクションを担当
現場の守護者 バタラ(Batara) 地域の守り神・先祖。人間と直接関わる最も身近な神格。

カンダ・エンパット — 四人の守護霊

バリの信仰では、すべての人間は出生時に「四人の兄弟(Kanda Empat)」という目に見えない守護霊を伴って生まれます。これらは羊水・血液・胎脂・胎盤にそれぞれ宿り、人の一生を守ります。

ヒーリングへの示唆

クライアントは一人で来るのではありません。常に見えない守護者とともに来ます。セッションにおいてこの存在を認識し、尊重することが、深いレベルのヒーリングへの扉を開きます。

チャナン・サリの供え物
03
聖なる日常の実践
チャナンとパンチャ・スンバ
バリ人が毎日繰り返す儀礼は、宇宙のエネルギー循環に自己を再接続するミクロな行為です。ヒーラーにとって、この実践の意味を理解することは不可欠です。

チャナン・サリ(Canang Sari)— 供え物の哲学

バリでは毎日、何百万もの小さな籐の籠に花と供物が置かれます。これは義務ではなく、宇宙との対話です。チャナン・サリの各要素は精密に設計された象徴体系を持っています。

要素 象徴
命の源、魂
石灰・シリの葉・ガンビール 考える・話す・動く — 人間の三能力
お菓子・バナナ 誕生から死に至る人生のサイクル全体
花(方位色) 東=白、南=赤、西=黄、北=黒。平和と真心。
パンダンの葉(中央) 知恵の象徴

パンチャ・スンバ(Pancha Sumba)— 5段階の祈り

バリの祈りは五段階の構造を持ちます。この順序には深い意味があります——先に感謝、後に要求。この「ギブ・アンド・テイク」の構造は、ヒーリングセッションの組み立て方にも応用できます。

ティルタ(Tirtha)— 聖水のプロトコル

バリは「Agama Tirtha(聖水の宗教)」と呼ばれます。聖水は浄化と救済の物理的媒体であり、単なる象徴ではなく実際にエネルギーを持つものとして扱われます。

聖水のプロトコル

受け方の意味

聖水を3回頭に受ける(上からのエネルギーの受容)→ 3回飲む(内側への浸透)→ 3回顔を洗う(表面の浄化)。
米(ビジャ):額(知恵)・こめかみ(直感)に付け、一粒飲む(エネルギーの吸収)。 これらは宇宙のエネルギー循環に自己を再接続するミクロな儀礼です。

ヒーリングのエネルギー接続
04
ヒーリングの本質
ハマシとボルテックス
ヒーリングとは、ヒーラーと患者の間で発生するエネルギーの共鳴を制御するプロセスです。その核心は、ヒーラーが自身の内的状態を高い恍惚感(ハマシ)に維持することにあります。

ハマシ(Hamasi)— 恍惚感という核エネルギー

ヒーリングの本質は、ヒーラーと患者の間で発生する「エネルギーの共鳴」を制御するプロセスです。効果的な治療の必須条件は、ヒーラーが自身の内的状態を「ボルテックス(渦)」の頂点へと引き上げ、高度な恍惚感(ハマシ)を維持することです。

重要な定義

幸福感の機能的定義

ヒーラーの幸福感・恍惚感は「主観的な感情」ではなく、治療プロセス全体を駆動する核エネルギー源です。ハマシの状態にあるとき、その周波数は物理的インターフェースである「手」へと転写され、その波動がクライアントへ波及し、クライアントの状態を同調させます。

つまり、満たされていること自体が、ヒーラーとしての最重要の専門技能です。これは利己的なことではありません——自分が満ちていなければ、分け与えることはできない。

自己循環型エネルギーシステム

持続可能なヒーリングは、自己のエネルギーを「消費」するのではなく、宇宙エネルギーを「媒介」することで成立します。

宇宙から受容
自己内で循環
ボルテックス形成
余剰をクライアントへ
再受容
自己優先の原則

「まず自分を癒し、満たす」ことはプロフェッショナルとしての規律です。自己のエネルギーを枯渇させずに宇宙エネルギーを媒介する自己循環型システムの確立が、ヒーラーとしての持続力の源泉となります。

ミクロコスモスとマクロコスモス

バリ・ヒンドゥーでは、人体(Bhuana Alit)と宇宙(Bhuana Agung)は同一構造の相似形とされます。頭部は山(聖なる方向・カジャ)、足は海(クロッド)——身体の構造は宇宙の構造と一致します。ヒーラーが自身の身体を整えることは、同時に宇宙との整合性を回復する行為です。

ヒーリングセッション
ハマシの状態——満ちあふれる状態から、初めてヒーリングは流れ始めます。
ヒーリングプロセス
05
感情の管理と
ピッパカの訓練
ヒーラーの最大の試練は、クライアントの苦痛に「同情」することではなく、愛をもって見守り続けることです。感情の管理は、技術ではなく意識の訓練です。

同情の罠 — ヒーラーの最大の敵

クライアントに「かわいそう」と同情することは、一見すると思いやりに見えます。しかし実際には、ヒーラー自身の周波数をクライアントの苦痛レベルまで引き下げる行為であり、治療効果を無効化する「エネルギー管理上の致命的過失」です。

重要な区別

同情 vs 共感(エンパシー)

同情——相手の痛みに「一緒に落ちる」こと。ヒーラーの周波数が下がる。

共感(エンパシー)——相手の痛みを感じ取りながら、自分は高い周波数を保ち続けること。これが正しいヒーリングの姿勢。

一定の距離を保つことは冷酷さではなく、高度な専門技術です。

感情マネジメントの3原則

ピッパカ(Pipaka)— 振動純度の訓練

ピッパカとは、意識をポジティブな側へ継続的に維持し、愛へと変換し続ける積み重ねの訓練です。これは「明るく振る舞う」ことではなく、内側の振動の純度を一定以上に保ち続ける精神的規律です。

段階 内容
ピッパカの維持 どんな状況でも意識をポジティブな側へ保ち、愛へと変換し続ける持続的蓄積訓練。
振動純度の自己管理 外部ネガティブ要因に曝されても、即座に周波数を「愛」の純度へ引き戻す技術。
精神的蓄積による昇華 ポジティブエネルギーの蓄積によりヒーラーとしての強靭さが形成される。
ヒンディング(Hinding) ピッパカの訓練を完遂し、エネルギーが統合された境地。ヒーリングの完成態。

「ヒーラーとは『個人的スキルの行使者』ではなく、宇宙的調和を地上へと引き込み循環させる媒介(コンダクター)でなければならない。自身の内面を最高の幸福状態で満たす自己規律こそが、クライアントへの最大かつ究極の貢献です。」

ヒーラーとクライアントの共鳴
06
変愛
ヒーラーとクライアントの共鳴
ヒーリングとは技術の行使ではなく、ヒーラーという存在そのものが発する「変わらぬ愛(変愛)」の旋律をクライアントの心に響かせる行為です。

エンパシーケーブル — 見えない共鳴経路

ヒーラーとクライアントの間には、目に見えない共鳴経路が存在します。これを「エンパシーのケーブル」と呼びます。このケーブルは、両者のエネルギー状態をダイレクトに同期させます。

共鳴の法則

「ヒーラーが感じていることは、クライアントも感じている。」ヒーラーがポジティブな感情を保つことは個人的嗜好ではなく、クライアントへの絶対的な義務です。

幸せの搬送波

ヒーリングの核心は「言葉の選択」ではなく、言葉を運ぶ「感情の流動」というエネルギーにあります。「幸せが流れるように言葉が流れる」状態がヒーリングの理想形です。感情と幸福感が一致したとき、言葉は強力なエネルギー変換装置となり、クライアントの滞った意識を浄化します。

自己愛のアファメーション — エネルギーの礎

ヒーラー自身の「声」は、内側のエネルギーの滞りを物理的に振動させ、解き放つプロセスです。発声によって内側に空間が生まれ、自己愛と許しが浸透します。

「私は自分のことを
とっても愛している」

マントラ 機能
「私は自分のことをとっても愛している」 自己存在の根源的肯定。エネルギー漏洩を防ぎ、存在そのものを癒しの触媒へ変容させる。
「私は自分の人生をとっても愛している」 過去・現在・未来の全プロセスの肯定。クライアントの人生への揺るぎない信頼の源。
「自分を許してあげましょう」 完璧主義の呪縛を解き、エネルギーの流動性を回復。クライアントの不完全さをも包む慈愛の形成。

変愛(ヘナイ)— 不変の愛という到達点

変愛とは、クライアントがヒステリックな状態や絶望の淵にあっても、ヒーラーが保つべき「状況や相手の態度によって揺らぐことのない、一定周波数の静止点」です。

エンパシーケーブルで繋がりながらも、相手の負の波動に同期(シンクロ)するのではなく、自身の変愛という高い周波数に相手を同調(エントレインメント)させます。ヒーラーが至福と平安の極致に留まり続けることで、ケーブルは相手を光へと引き上げる牽引ロープへと変わります。

「笑顔の終着点——セッションの締めくくりにヒーラーが幸せでいっぱいで笑顔がこぼれる状態にあること。これが、扱ったすべてのエネルギーがポジティブに変換された証です。この笑顔がケーブルを通じてクライアントの魂に最後に刻まれる『癒しの印』となります。」

バリの聖なる場所
07
聖なる地理
バリの9大中枢寺院
カヤンガン・ジャガッ——バリ島を守護する9つの中枢寺院は、宗教的信仰であると同時に、エネルギースポットの精密な地図です。ヒーラーはこの地理感覚を持ちます。

カヤンガン・ジャガッ(Kayangan Jagad)— 宇宙の守護体系

バリには9つの中枢寺院(カヤンガン・ジャガッ)があり、島全体のエネルギーを調整・保護するネットワークを形成しています。これらは山・湖・海といった生態系の急所に配置されており、信仰を守ることがそのまま島の自然環境の維持に直結する、世界でも稀有な「宗教=環境保護OS」の実例です。

北 — North ウルンダヌ・バトゥール ウィスヌ神。湖・水。黒。生命の水の守護。
東 — East ランプヤン イシュワラ神。山。白。日の出の方向、新しい始まり。
南 — South ウルワツ ルドラ神。海・断崖。黄色。浄化と変容。
西 — West バトゥカウ マハデワ神。山・森林。黄色。大地と静寂。
北東 — Northeast パサール・アグン アグン山。最も神聖な方向への入口。
南東 — Southeast ゴア・ラワ 海・洞窟。闇の中に宿る神聖さ。
南西 — Southwest マス・セティ 海の守護。西と南の交点のエネルギー。
中央 — Center ブサキ(総本山) シワ神。5色(全色混合)。すべての方向の統合点。

空間の座標軸 — カジャとクロッド

バリの空間感覚は絶対方位ではなく相対座標で成立します。

方位 意味 象徴
カジャ(Kaja) 山側(アグン山方向) 聖・上・純粋。頭部と対応。
クロッド(Kelod) 海側 不浄・下・変容。足と対応。
カンギン(Kangin) 東(日の出方向) カジャに次ぐ聖なる方向。
カウ(Kauh) 西 相対的に不浄とされる方向。
ヒーリングスペースへの応用

セッションを行う空間において、ヒーラーはカジャ(山側・聖なる方向)を意識した配置を心がけます。クライアントの頭部をカジャ方向に向けることで、宇宙のエネルギーの流れと身体を整合させます。

意識と蓮の花
08
サドグルとバリの接点
内側の工学
インナー・エンジニアリングとバリ・ヒンドゥーは、異なる言語で同じ真実を語っています。意識を強迫的反応から解放し、宇宙的調和へと向かう——その道を二つの伝統が照らします。

インナー・エンジニアリング — 意識の再設計

「外部の刺激に対して自動的に苦しむことは、最も恐ろしい形の奴隷状態である。」

— Sadhguru(ジャッギ・ヴァースデーヴ)

サドグルのインナー・エンジニアリングとは、人間の内側の幾何学的整合性を最適化し、強迫的な反応(Compulsive Reaction)を意識的な応答(Conscious Response)に書き換えるツールキットです。

これはバリ・ヒンドゥーの「Desa-Kala-Patra(文脈に応じた判断)」と完全に対応します。感情や状況に自動反応するのではなく、場所・時間・状況を読み、意識的に選択する——これが両方の伝統が求める人間の姿です。

4つのヨガの道とバリ・ヒンドゥーの対応

ヨガの道 対象 バリ・ヒンドゥーとの対応
カルマ・ヨガ 身体・行動 チャナンの実践、日常儀礼。行動を通じて一体感を得る。
ニャーナ・ヨガ 知性 バリ・ヒンドゥー哲学の深い理解。知性で境界を解体する。
バクティ・ヨガ 感情 神々への信仰と献身。変愛(不変の愛)の実践。
クリヤ・ヨガ エネルギー ハマシとボルテックス。生命エネルギーを変容・拡張させる。

意識の進化 — アディ・ヨギとモクシャの接点

サドグルが語るアディ・ヨギ(最初のヨギ)は、15,000年以上前に意識の進化を体系化しました。その最終段階は「神秘の男」——神との合一の境地です。これはバリ・ヒンドゥーのモクシャ(解脱)、そしてヒーラーの到達点であるヒンディング(ヒーリングの完成態)と、同一の構造を持ちます。

真実はひとつ

バリ・ヒンドゥー、ヨガ、サドグルの教え——異なる道が同じ頂きへ

文化や言語が違っても、人間の意識が向かう先は同じです。ヒーラーとして成熟するにつれ、あなたはこの普遍的な真実に、自分自身の言葉で出会うでしょう。

供え物とヒーラー
真実はひとつ。どの伝統も、同じ光へと続いています。
Coming Next

Phase 2 — 応用実践編

エネルギーワークの実践技術

グループワークショップ

Phase 1で築いた世界観と哲学的基盤を、実践へと転換します。

Phase 2では、バリのバリアン(伝統的治療師)から受け継いだ実践知識を体系的に学びます。理論から手技へ、概念から体感へ——Phase 1で理解した「なぜ」が、「どうやって」へと変わります。

Phase 2 で扱う主なテーマ

Phase 1 → Phase 2 への橋

Phase 1の学びなしにPhase 2の技術は機能しません。技術は意識の上に置かれて初めて力を持ちます。Phase 1をしっかりと内側に根づかせてからPhase 2へ進んでください。

The Final Stage

Phase 3 — 統合と完成編

ヒーラーとしての自立

三つのフェーズの旅は、ここで完成します。しかし終わりではなく、本当の始まりです。

Phase 3は、技術と哲学を統合し、あなた自身のヒーリングのスタイルを確立する段階です。バリアンの知恵を受け継ぎながらも、あなた自身の文脈(Desa-Kala-Patra)の中でそれを体現する方法を見つけます。

ヒーラークラス修了
ヒーリングの完成態(ヒンディング)は、到達する場所ではなく、あり続ける状態です。

Phase 3 で扱う主なテーマ

Phase 3 を終えた先に

あなたが持ち帰るもの

資格ではありません。あなたの内側に生きたシステムとして根づいた、ヒーリングの哲学と実践の統合体です。バリの叡智は、あなたの血肉となって、どこへ行っても機能します。

Your Guide

ガイドについて

Reina Takahashi
Reina Takahashi
通訳・ガイド|Akasha Jyoti

バリ島タバナンを拠点に、バリの伝統ヒーラーと日本のクライアントをつなぐ通訳・橋渡し役を担っています。バリ語・インドネシア語・日本語を操り、言語の翻訳だけでなくバリの叡智の文化的文脈をまるごと伝えることを使命としています。

バリ・ヒンドゥー哲学(Tri Hita Karana、Panca Maha Bhuta)、バリ暦、儀礼体系を深く学び、サドグル(Isha Foundation)の教えとの接点を探求してきました。PT Cocoro Cahaya Bali代表。

このクラスへのご参加、ご質問はお問い合わせください。料金・スケジュールの詳細はご連絡後にご案内します。

「あなたが探しているものは、見える場所にはありません。
しかし、それを見つける手助けをしてくれる場所があります。
それがバリ島であり、このクラスです。」